1992年に行われた「ルマン24時間レース」に出場した「トヨタ TS010」を再現したモデルになります。
3台のTS010の中でも、最も華やかな水色とピンクを基調にしたカラーリングが目を惹く8号車ですが、モデル化にあたってキーとなるのはやはり清潔感のある塗り分けになります。
弊社のモデルカーは一台一台、職人がマスキングテープを貼り込んで塗り分けを行う方式を採っていますが、全車が同じ塗り分けとなるように、原型には塗装すれば消えてしまう程度の段差ですが、ガイドラインをモールドしています。そのラインを基準に塗り分けやデカールの貼り付けを行うため、個体差が生じることはありません。
デカールを貼り付けたあとは、抜群の透明度を誇るウレタンクリア塗装を幾層にも重ね、さらに1コート毎に研ぎ出しを行うことで表面に凹凸のない鏡面仕上げを実現しています。また深く細いパネルラインを彫り込むことによって、しっかりと色の乗った美しい塗装とシャープなモールドの両立を実現しました。
独特のリアウィングは、厚みのある翼端板をレジン製、水平方向の羽根部分は1枚のエッチングプレートを「C」の字型に折り曲げて、流線形の断面形状を作るという手法でリアリティを追求しました。
Cカーは空力対策のため、メカニズムが露出する部分は極く僅かですが、例えばホイールなどはアルミの挽き物のリムとシャープなホワイトメタル鋳造のディスク(メッシュ部分)を組み合わせて実車さながらの質感を演出しています。
すでに発売済みの33号車(CASIOカラー:2位入賞)と7号車(NIPPON DENSOカラー:DNF)と並べてお楽しみいただければ幸いです。
※アクリルベース、クリアケース付属
マツダ787Bが優勝を飾った1991年のル・マン24時間。
その翌年のル・マンに挑んだトヨタが持ち込んだのは3台のTS010なるグループCカーでした。1992年のル・マンからマシーンは3.5リッターの自然吸気エンジン搭載車が主体となった(本来は3.5リッターに限定される予定でしたが、台数が集まらずカテゴリーを別としてターボ車や違う排気量の旧規格Cカーも出場)ことから、シャシーやボディなどのエンジニアリングが物を言うことになります。
その設計にあたってコンサルタントを務めたのは、古くはローラ在籍時にフォードGT40の設計に携わり、その後もBRM、ロータス、TWR他を渡り歩いたレーシングカーデザイナーのトニー・サウスゲートで、その手腕が如何なく発揮された結果、CASIOカラー車が見事2位、そして今回リリースとなる“ZENT”カラー車が8位でチェッカーフラッグを受けています。しっかりとダウンフォースを獲得しながらドラッグも抑えたフォルムや、トータルバランスの高さから多くのル・マン・ファンの記憶に残る名マシーンと言っても過言ではありません。