356Aスピードスターが生産を終えてから丁度30年という節目の年に、1989年に市販モデルとしてリリースされた「ポルシェ 911 カレラ 3.2 スピードスター ターボルック 1989」を忠実に再現したモデルとなります。
モデルの設計にあたっては、すでにリリース済みの911ターボのデータをべ―スに、ルーフやウィングを取り払い、さらにスピードスター独特のターボボディでありながらNAのカレラに準じたリップレスのフロントバランスパネルが装着される、といったディテールを描き加えて原型を製作しました。スピードスターの最大の特徴である低いウィンドシールドやダブルブル形状のトノカバーは実車の3Dスキャンを行い、正確な形状を把握した上で原型を設計しています。
細かい部分ですが、単にターボボディにカレラの顔周りを装着したように見えるフロントまわりですが、実際にはそのままでは左右幅の違いからフィットしないため、バランスパネルがスピードスター専用品となっており、そうした特徴もモデルではしっかりとトレースしています。
ルーフセクションはトノカバーを装着した状態と、幌を上げた状態の2パターンの部品が付属する選択式となっています。幌は前に向かってスロープしていく独特な形状ですが、その表現はもちろん、リアウィンドウ越しから覗くトノカバーも再現しています。
スピードスターの外観はいわゆる光モノの類は皆無に近いですが、ホイールはアルミの削り出しリムとホワイトメタルのディスク部分、そしてヘッドライトリフレクターはメッキ掛けしたホワイトメタル部品を使用するなど、リアリティの追求には余念がありません。
※アクリルベース、クリアケース付属
ポルシェ初の市販車となった356シリーズ。その第2フェイズにあたる356Aの時代に設定されたのがスピードスターです。
そんなスピードスターの名前が、28年の歳月を経て、突如復活します。それが1987年のフランクフルトショーで発表された930系の911 カレラ3.2をベースにしたコンセプトモデルでした。
カブリオレとは一線を画す、申し分程度の低いウィンドシールドはまさに356スピードスターを彷彿とさせるもの。しかし、驚くべきことに、単なるショーモデルとも思われた同車は、356Aスピードスターが生産を終えてから丁度30年という節目の年、1989年に市販モデルとしてリリースされたのです。
911ベースのスピードスターは機構的にはベースとなったカレラ3.2を踏襲していますが、ボディは標準のカレラボディと、グラマラスなターボボディの2種が用意され、多くの顧客がターボボディを選択したのは言うまでもありません。ウィングレスのターボボディ、ピラーレスのローウィンドシールド、オープン時に装着するダブルバブル形状のトノカバーなど、まさに唯一無二のルックスが特徴の911 カレラ3.2 スピードスターが満を持してのモデル化となります。