1971年のジュネーブショーで初披露された時より若干実用的な改良が加えられた姿「ランボルギーニ カウンタック LP500 ベルトーネ 1971 (後期型)」を忠実に再現したモデルになります。
一見すると市販のLP400と共通のボディで、細部の意匠が異なる程度に見えますが、実際は別物なので、原型データの製作にあたってはゼロから再設計しています。
ウィンドウのグラフィックスやフロントバンパーや灯火類といった、市販モデルと異なる部分の造形把握は実はそれほど難しい部分ではありませんが、一番難しいのは、非常に平板的ながら、実は緩いアールで構成されるボディの面と、それとは対照的に組み合わせられた鋭いエッジの表現です。すでに現車が存在せず、3Dスキャンなどは行えないので、当時の膨大な資料や写真からその面表現を読み解き、それを3D CADデータ上に反映させる作業を積み重ねてまいりました。
今回はすでに発売済みの、ジュネーブショー出展時の状態の仕様から、若干実用的な改良が加えられた姿を正確に再現いたしました。
その中で行われた“フロントワイパーの追加”を再現した仕様となります。ワイパー追加にあたってはボディ側もワイパー根本部分が台形に切り欠かれており、それに合わせてボディの原型も新造しています。
また、その際に、フロントフードにキーシリンダーが追加され、テールのエンブレムがなぜか“Countach”から“Lamborghini”に変更されたことも確認できたため、それらもすべて反映させております。
メッシュ越しに見えるLP500ベルトーネならではの5リッターV12エンジン(市販版は3.9リッター)もレリーフ構造ですが、立体感を追求して金属感に拘って彩色を施しています。メッシュ自体もその目の細かさを何種類か試し、内蔵されるエンジンの透過感が最適なものを装着しています。
非常にマニアックなバリエーションモデルではありますが、弊社のカウンタックへの思い入れを感じ取っていただきたく、思い切って製品化いたしました。熱心なカウンタック・モデルカーコレクター諸兄ならば、先に発売済みのジュネーブショー出展時仕様と並べてお楽しみいただけるはずです。
※台座、クリアーカバー、シリコンクロス付属
カウンタックのプロトタイプと訊いて、多くの方が市販間近の試作車をイメージされると思いますが、今回モチーフとしたのは、カウンタックというクルマが1971年のジュネーブショーで初披露された時の個体で、1974年に発売される市販車とはまったく異なる手法、車体構造で作られたワンオフ車両でした。
楔形フォルムのアウトラインは市販モデルと共通したイメージを持ちますが、ディテールを追っていけば、ドア開口部の形状、サイドウィンドウのサッシュ意匠、左右フェンダー上面から一段落とされたフロントフードや、その後端に備わったエアインテークなど別物であることがわかります。カウンタックはエンジンの放つ熱の抜けが悪く、その対策が市販化にあたり大きな課題であったと言われていますが、その対策のために大きなインテークなどが備わっていないプレーンな造形に、おそらくはガンディーニの思い描いたカウンタックの理想形があるはずです。
また実車では全長も市販車より10cmほど短くなっています。のちにランボルギーニ大きな名誉をもたらした名車のかけがえのない試作車でありながら、その末路は悲しむべきもので、最終的には前面衝突実験に使用され廃棄されため現存はしていないと言われています。