ホンダが誇るスポーツグレード「タイプR」シリーズの3車種目として1997年に発売された「ホンダ シビック タイプR(EK9)」を忠実に再現したモデルです。
EK9は1998年9月を境に前期型と後期型に大別されますが、今回リリースするのは前期型で、実車を3Dスキャンして採取したデータを元に、意図的な形状のデフォルメなどを行わず、極力実車の形状に忠実な原型を設計いたしました。
ボディはスポーツモデルらしく、加飾類は少なめですが、代わりに灯火類などは実車の部品分割を研究し、高い解像度での再現を試みています。
ヘッドライトはハウジングの彫り込みが深くキラキラとしたマルチリフレクターの表現にも拘り、細かな彫刻を施したホワイトメタル製部品にメッキ掛けをして実車らしさを追求。
インテリアは赤いレカロシートが印象的ですが、これらもすべて実物をスキャンして、それを元にパーツを設計しているので、形状はもちろんサイズ感、質感などのリアリティも折り紙つきです。
まずは前期型をリリースいたしますが、近似した印象を持ちながら、エンジンフード、フェンダー、フロントグリル、バンパーなど共通部品を持たない後期型も鋭意開発中です。メイクアップが作る、高解像度かつ抜群のプロポーションを誇るEK9の展開にご期待ください。
※アクリルベース、クリアケース付属
1995年9月に発売された6代目のEK型シビックにはタイプRの設定はなかったものの、トップグレードのSiRは1.6リッターの排気量から170馬力発生するB16A VTECエンジンを搭載するなど、十分に速いクルマでした。
市場ではシビックのタイプRを熱望する声も多く、それに応える形でホンダは6代目シビックの登場から遅れること2年弱、ついに1997年8月にシビック タイプR(EK9)が発売したのです。
タイプRを名乗る以上、少なくともSiRを遥かに凌ぐ動力性能とハンドリングが要求されることになり、エンジンはメーカー量産エンジンとしては異例のインテーク&エキゾースト・マニフォールドのポート研磨を手作業で行うといった拘りもあり、数値上ではリッター116馬力にあたる最高出力185馬力を達成。旧排気系のチューンも綿密に行われて低回転域からVTEC切り替わって8500r.p.m.まで淀みなく回るなど、ホンダ以外では作りえないクルマとして大人気を博しました。
車体は硬いサスペンションをしっかりと機能させるために随所に補強が入れられ、重量は嵩みましたが、走りに関係の無い装備は徹底して省いたことによってSiR比で30kgほど軽量化を果たしています。シビックは1998年9月にはマイナーチェンジし、タイプRも後期型へ移行し2001年11月まで生産が行われました。
現行のシビック タイプR(FL5)よりも絶対的な速さこそ劣りますが、全長で415mm短く、390kgも軽い初代の機敏な身のこなしに、今改めて魅了される人が多いのも十分に頷けます。かつてはボロボロになるまで走り込まれたEK9を街で見かける機会もありましたが、今や車両盗難も心配されるほどのコレクターズカーとして、世界中のホットハッチファン垂涎の1台となっているのです。