ポルシェの70周年を記念して77台のみが生産され、特別な顧客だけに販売が行われた「ポルシェ 935/19」を忠実に再現したモデルになります。
ポルシェ935/19はわずか77台が製造されたレア車ですが、今回は幸運にも日本国内に存在する実車オーナーの協力をいただき、3Dスキャンを敢行。そこで採取したデータを元に、実車の形状を客観的に捉えた原型の設計を実現いたしました。
935/19は991シリーズの「GT2 Club sport」をベースにしていますが、ドアやルーフにその面影を残すものの、それ以外の部分はまったく共通性がなく、ほぼ完全新規での製作となりました。車体は前後のアンダーエアロ/ディフューザー類、延長されたテールエンドの下に覗くリアフェイシアは別パーツとして、奥まで入り組んだ部位の複雑な造形を正確に再現。
またシルエットフェンダー、フロントフードのダクトの抜けの部分は奥行感や縁(へり)の薄さにも拘っています。放熱性と空気抵抗の低減を狙ったホイールのエアロディスク/ベーン(ターボファン)も立体感豊かに再現。こちらは真鍮切削原型をホワイトメタル鋳造へと置き換えての再現となります。
特徴的な灯火類はホワイトメタル製のシャープなハウジングにクロームメッキ加工したハイクオリティな部品に細密な彩色を施しています。リアウィングはエッチングやホワイトメタル製部品を組み合わせてシャープな造形と、経年変化で変形しない剛性を確保しています。
内装はコンペティティブでありながらロードカーの面影を残した935/19の独特の世界観を、3Dスキャンデータベースで造形。ロールケージの取り回しや特徴的なD型のステアリングホイール形状などをご確認いただけます。
ボディカラーは実車の多くがまとう、マルティニ・レーシング調のストライプをデカールで表現。その上に丹念なクリアコーティング塗装を施し、1台1台職人が手作業で鏡面状態まで仕上げています。
レースカー的な外観を持ちながら、純粋な競技車両では無いという、ポルシェとしてはやや意外な立ち位置の935/19ですが、非常に華のあるクルマゆえに、モデルカーとなってもその存在感は際立っており、是非貴方の911モデルカーコレクションにもラインナップ入りさせてお楽しみください。
※大判アクリルベース、アクリルクリアーカバー、シリコンクロス付属
※お一人様2台限り
※2026年6月発売予定
※Released in June 2026
1970年代後半、市販車ベースのレーシングカーのトップカテゴリーとなったグループ5。シルエットフォーミュラと呼ばれることもあるカテゴリーですが、市販車のシルエット(アウトライン)やセンターモノコックを残しつつ、前後サスペンションやフレーム、そしてエンジンもターボによって大幅なパワーアップが可能など、簡単に言えば“ガワだけ市販車の面影を残したフォーミュラカー”といったマシーンで戦われることになりました。
BMW、ランチア、欧州フォードなど各メイクスが参戦しましたが、ポルシェが911(930シリーズ)をベースに製作した935にはまったく歯が立たず、1981年にはカテゴリー自体が消滅してしまいました。ちなみに935ネーミングは930シリーズをベースにしたグループ5を意味しています。935はグループ5シーンで圧倒的な強さを見せますが、ポルシェは1978年のル・マン24時間に向けて、ユーノディエールと呼ばれる直線での最高速度を稼ぐために、車体の前後を大幅に延長してより流線形に近づけた空力スペシャル的な935/78を開発し、時に格上のグループ6カーを脅かすほどの速さを見せ、総合でも8位に食い込んでいます。
935/78はモビーディック、すなわち白鯨に例えられることもありますが、あまりにもアイコニックなスタイリングだったため、数あるポルシェのレーシングカーの中でも1、2を争そう人気を誇ります。そんな名車を2019年にポルシェ自らがオマージュしたのがポルシェ935/19です。同車はポルシェの70周年を記念して77台が生産されました。同車はサーキット走行専用車ですが、実際に現在のレースカテゴリーに合わせて製作されたものではありません。言ってみればレースカー風のコスプレ車両ではありますが、そこはポルシェ。中身にも本気に満ちたもので、ポルシェのRR車の中では最高性能を誇る、3.8リッターのフラット6ツインターボ搭載の991シリーズのGT2に、935/78風のスペシャルボディを架装したものとなっています。
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